海外取引では、商品と買い手が決まっていても、誰が輸入申告を行い、関税や輸入規制上の責任を負うかが決まらなければ商品を動かせません。そこで検討されるのがImporter of Record、一般にIORと呼ばれる役割です
IORとは何をする主体か
IORは、輸入国で輸入申告の主体となり、対象国の制度に基づいて必要書類、関税・税金、商品規制などに対応します。ただし、IORという名称だけで契約、物流、倉庫、販売、請求まで自動的に解決するわけではありません。実際の取引では、売り手、買い手、IOR、通関業者、物流事業者の役割を一つの商流として設計する必要があります
IORを検討しやすい5つのケース
- 海外顧客は決まっているが、その顧客が輸入者になれない、または希望していない
- 現地法人設立前にテスト販売や限定的な輸入を行いたい
- 代理店や販売パートナーが販売は行うが、輸入責任は引き受けない
- 機械や設備を一時輸出し、返送または再輸入する必要がある
- 越境ECや展示会後の販売で、現地輸入主体が必要になった
IORが適さない場合もある
継続的な大規模販売、現地在庫の保有、顧客との長期契約、現地雇用などが必要な場合は、代理店や現地法人の方が合理的なことがあります。また、商品、用途、仕向国、最終使用者が確認できない取引や、規制・制裁対象となる可能性がある取引は、IOR以前に適法性と取扱可否の確認が必要です
相談前に整理する情報
商品名と用途、仕様またはHSコード、原産国、輸出国、仕向国、売り手と買い手、最終使用者、数量、希望時期、価格条件、Incotermsを整理します。仕様書、見積書、LOI、契約案がある場合は、あわせて確認すると実行ルートを判断しやすくなります
販売・調達と輸出入を一つの案件として考える
IORは海外進出そのものではなく、販売または調達を実現するための手段です。買い手や仕入先がまだ決まっていない場合は、先に販路・代理店開拓やサプライヤー探索を行い、取引条件が見えてから輸出入体制を設計する方が効率的です
買い手・仕入先が決まった海外取引について
IOR・輸出入実行支援の対象案件と進め方を見る →
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、法務、税務、通関その他の専門助言ではありません。実際の取引は商品、対象国および取引条件に応じて専門家へご確認ください